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なかなか鳴き癖がやまない状況とは

動物としての犬の最大の特徴のひとつにその「鳴き声」があります。犬は頭がよく、感情が豊かな動物です。コミュニケーション能力に優れ、自己と他者、群れ、そして敵、などの関係性を理解できる生き物なのです。そのため、顔の表情を司る筋肉は同じ愛玩動物として知られる「猫」よりも多く、多くの感情をその仕草、表情、そして鳴き声で表します。人間暮らしていればそれは当然私たちに訴えかけるものです。

犬は賢いとはいえ、「言葉」では私たちに気持ちを伝えることができません。ですから、吠えるのです。

ですが、それは犬としては当たり前のことであっても、人間の社会にとっては状況によっては許されない場合もあります。集合住宅で屋内で飼っている場合や住宅地での夜間など、近隣の方に対して「迷惑」となってしまう場合もあるのです。「吠える」というのは犬にとっては当たり前のことですから、「吠えたい」ときに吠えます。その状況があまりにも周囲の環境に対してそぐわない場合は、どうしてもそれをしつける必要が出てきます。そこで安心して欲しいのが、どれだけしつけても犬は吠え方を忘れません。夜間には吠えないように、などうまくしつけることが出来れば、何か異変が起きた時にはまっさきに知らせてくれるような存在になるのです。

犬が吠えたいシチュエーションはさまざまあります。最も多いのが、「散歩にいきたい」というものです。成犬になると、中型の犬でもとてつもなく活発です。本能として走り回りたいという欲求を備えていますから、ただ庭につながれているだけ、ただ屋内でゴロゴロしているだけでは物足りないのです。ですから、「散歩の習慣」をつけている場合はその時間になると「まだかまだか」と吠えるのです。そしてお腹が空いたとき。このときも吠えます。いつもエサをくれているのに、たまたま時間が大きくズレてしまうと、何事かと思って吠えます。そして最も期待されている習性として、縄張りに知らない人が侵入した場合も吠えます。それは自身が属する群れの人間ではない者が侵入したときなどです。威嚇の場合と、恐れおののいている場合もありますが、とにかくそれを家族に伝えようとして吠えます。さらに、「猫」が近づいた時も吠えます。犬と猫は元来相性が悪いのか、なぜか猛烈に吠えます。

もっと家族に馴染んでくると、冬の寒い日に「家に入れてくれ」と吠えたりすることもあります。それはたまたま寒い日に屋内に入れてあげた場合があるとすると、その状態を覚えているからです。「吠える」ということはコミュニケーションのための手段です。ですから、それは封じるべきことではありません。そのため、吠えるという行為すべてを禁忌にはできません。ですが、暮らしていくなかで明らかに周囲の迷惑になるような吠え方は諌めて覚えさせる必要があります。

鳴き癖というものは「本能」でもあります。ですから、状況などに応じて「鳴くのを避けて欲しい」という局面のたびに、しつけるしかありません。そして、しつければ確実に効果はあります。「鳴き癖がやまない」ということは、そのような「しつけ」がうまくできていないということです。吠えない犬はいないので、それをどう制御するかということは飼い主次第なのです。

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